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秋も深まると

秋、芸術・文化の秋なんてことで、あちこちの美術館秋季特別展が満載、それを見て歩くのも楽しい。読書の秋なんてのも大好きだったけれど、急に目がめっきり悪くなって今年中に手術の運びとなった。本を読むのは難儀になってしまった。軽い本ばかり読んでいて、たまに重い本を読んだりすると、さっぱり中味が頭に入らず、新しい知識が増えるのは望み薄。

こうなりゃ深まる秋を一番感じるのは食欲といこう。少し秋が深まってきたので、今日はゆずを買いゆず味噌を作ってみた。味噌は好きで色々作ってそのままに、また何かの和え物にも使うことが多い。夏の間人気あったのはなんば味噌、甘辛い味は食欲を刺激してくれるのにぴったりだったけれど、秋が深まるとどうも辛い味はなんだか時期はずれみたいになってしまった。冬の到来、ゆず味噌を作り、サトイモの田楽なんかつけてはふはふ食べればおいしいかも。

さらに今冬初めての酢和えを作る、大根とニンジンをよく塩もみ、油揚げを煮て、それで酢和え、ゆずをこまかく刻んで混ぜ合わせる。そして冬となればおでん、さらに本日はめじまぐろの刺身。

なんだかいかにもの冬の到来を感じさせる献立である。冬の到来は鍋物の出番を思わせるけれど、鍋物は一人では少しもおいしくない。我が家大分まえは舅、姑、子供二人、我ら夫婦とそれなりの人数が揃っていたときは、鍋物はまことに重宝するだけでなく、いかにも食卓を囲んでの家族の食事風景として、湯気を囲んでの楽しい風景であった。

今や舅姑は他界して娘は嫁ぎ、息子は県外での生活。主人は仕事の関係で家で食事をすることはあまりない。大抵の夜の食事は一人である。食事の支度は簡単であるけれど、味気ないものである。ただこういう生活はいずれ誰にでもどこにでも起きることであって馴れるしかないかも。

冬の到来、張り切っておでんを作れば、明日よりは頑張ってたべなきゃならないかも。最近は作ったものを少しずつ友達に裾分けすることもある。

季節の到来を感じさせる食事は、どっちかというと何人も揃って食べるということが前提になっている。ひとりの食事のレシピなんて私にはなかった。あまりに気のぬけた食事は体に悪いだろうし、またあまりに味気ないから、それなりに食事の支度はする。夜用の食事とか朝用の食事とかの区別はあまりしなくなった。今朝なんかばい貝を煮たもんね。冬の貝でおいしかった。

昔からの常識なんかでこれは夜に食べるもの、朝にらに食べるもの、とぬぐいがたく思っていたけど、朝の食事だけは夫婦で一緒に食べるもの、こうなりゃ朝用、夜用なんていってられない。

酢和えなんてのは昔からの料理、主人は好きだから、そして日持ちするから朝にあるいはちょっとビール飲んだりする相手にはいいかも。季節の到来は文化でもなければスポーツでもなく、冬物食事の献立から知るなんていささか気恥ずかしいけど、現実はこんなもの。

刺身、冬になってさまざまあるけれど、一人で食べるというだけでなく、どうも年のせい?さらに今の刺身たいしておいしくない?あまりに食べたいとも思わなくなってしまった。

健やかな食欲に支えられておいしくいただいて食事、今ではすっかりなれてしまったのだけれど、一人っきりの食事、料理が上手でないこともあろうけどおいしいとも思えない。年をとるとみんなそうなるんだよねと思いつつ、冬の到来を思わせる食事を作って小さい季節の移ろいを感じている。

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